基礎知識

ハイヤードライバーの働き方~専属・請負・フリー~

ryosukepapa
今回の記事でわかること

・ハイヤードライバーの働き方の詳細

・それぞれの働き方のメリットデメリット

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はじめに

まずはじめにハイヤードライバーには主に3つの働き方があります。

『専属』『請負』『フリー』の3種類です。

今回はこの3つについて解説していきます。

結論、最も融通が利く働き方はフリーという働き方です。

しかし、他の働き方では全くダメかと言えばそんなことはありません。

私自身は現在『請負』で働いています。

専属でも請負でも案件によっては融通は利きますが、フリーの方が利きやすいのは確かです。

フリーは自分の固定のお客様を持たない働き方なので、休日の希望、この日は定時で上がりたいという希望も通りやすいですし、逆に朝早い仕事や夜遅い仕事を積極的にやることによってガッツリ稼ぐことも可能です。

今回の記事を読めばハイヤードライバーという働き方をよりしっかりと理解することができるでしょう。

それでは始めていきます。

フリーのメリット

まずは最も融通が利くフリーという働き方についてです。

主に朝夕の企業の役員様の自宅〜会社間の通勤である「定期送迎」や、日中・夜間等に単発で入るスポット仕事等を担当します。

ハイヤードライバーは入社して研修を終えると皆このフリーからスタートします。

最初は比較的ルートがシンプルなお客様や性格が穏やかなお客様からスタートし、徐々に難易度の高いお客様も任されるようになります。

フリーのメリットは次の3点通りです。

メリット

・休日に融通が利く

・仕事量をコントロールできる

・いろいろなところに行ける

順番に解説していきます。

休日の融通が利く

まずは1つ目、休日の融通が利くという点です。

まさにこれがフリーの働き方の最大のメリットと言えます!!

車庫番の場合は完全にシフト制の勤務になりますが、事前に申請すれば平日でも土日祝日でも希望休や有給休暇等、確実に取ることができます。

私は今まで取れなかったことはありません。

有給も申請用紙に理由を書く欄があるのですが、いつも「私用のため」と書いており理由を細かく聞かれたことは一度もありません。

また過去に子供が熱を出した時もあっさりと早退を許可してくれました。

コロナ禍というのもありましたが(子供は陰性でした)、なかなかこういった時に男性を早退させる会社はまだ少数派だと思います。

融通の利き具合が見事に発揮された形です。

そして男性の育休取得にもかなり前向きで、実際に取得している先輩もいます。

このようにかなり柔軟に休みを取ることができるので、特におすすめと言えます!

私自身実際に転職してみて、家族と過ごす時間は確実に増えたと思います。

一般的にはあまり知られていない、最高の働き方だと思います。

仕事量をコントロールできる

続いて2つ目、仕事量をコントロールできるという点です。

フリーの働き方の場合、私の会社の場合ですが前日までに【定時申請】というものを出しておくと翌日は基本的に定時で帰れるという制度があります。

夕方の5時台には電車に乗って帰れます。

控えめに言って最高ですよね。

またどうしても相性が悪いお客様の場合、運行管理者に相談の上業務を外してもらうことも可能です。

もちろんワガママばかり言っていては信頼関係が得られなくなってしまいますが、一般企業と比較するとこの辺もかなり柔軟に対応してもらえます。

逆にガッツリ稼ぎたいという人の場合は朝早い仕事や夜遅い仕事を積極的に志願していけば、稼ぐこともできる。

かなり柔軟性があります。

いろいろなところに行ける

最後に3つ目、いろいろなところに行けるという点です。

最後は実務的な話になってしまうのですが、後に話す専属・請負の働き方の場合、日々行く場所がどうしても限られてきてしまいます。

毎日同じ人を乗せるので、当然と言えば当然ですね。

その点車庫番だとその都度いろいろなところに行くので、日々刺激があります。

また道を忘れないという視点で見ても大きなメリットだと思います。

やはり昔散々走った道でもしばらく走らないと、かなり忘れてしまいます。

実務上何気に重要なポイントだったりします。

フリーのデメリット

そんなメリットだらけのフリーにもデメリットはあります。

フリーのデメリットは次の2点です。

デメリット

・収入が不安定になりがち

・先々の仕事内容がわからない

順番に解説していきます。

収入が不安定になりがち

まずは1つ目、収入が不安定になりがちなことが挙げられます。

仕事量はその日によっても変動しますし、今回のコロナ禍などの社会的影響が大きな出来事によっても左右されてしまいます。

現に最初の緊急事態宣言が出されたときはフリーの仕事は一気に無くなりました。

社会情勢の変化に伴って、まずはフリーから仕事が減っていきます。

プライベートとは両立しやすいですが、ある意味不安定な仕事と言えます。

先々の仕事内容が分からない

続いて2つ目、先々の仕事内容がわからないという点です。

会社によっても違うかと思いますが、基本的に朝の送迎は前日の午後に、夕方の送迎は当日の午後に割り振られるので、直前までどのお客様の所に行くのかがわかりません。(もちろん事前に依頼されるパターンもあります)

となると、大体何時頃に帰って来れて、どのぐらい残業が付くといった目処が事前に立ちにくくもなります。

これは人によっては結構ストレスに感じる人もいるかもしれません。

その点この後に話す専属・請負はある程度事前にスケジュールが把握できます。

人によっては専属・請負の方が向いているかもしれませんね。

専属・請負のメリット

続いて、専属・請負についてです。

これは特定の企業の役員様など固定のお客様の専属ドライバーとして、朝の自宅迎えから日中の取引先訪問・夜の自宅送りまで、そのお客様の全ての送迎を行います。

専属と請負については大まかには変わらないのですが、運転する車が違います。

専属の場合は営業所所有の緑ナンバーのハイヤーを使います。当然営業所を出庫するところから始まり営業所に帰庫して終了になります。

しかし請負の場合は先方の企業が所有する白ナンバーの車を使用します。

なので毎日の発着点も各企業によって異なります。

営業所ではなく車の保管場所に出勤をして、そこからスタートになります。

要するに直行直帰という形になります。

場所は先方の企業の駐車場の場合もあれば実際に乗られるお客様のご自宅の場合もあります。

まるで派遣社員のような働き方です。

そんな専属と請負のメリットは次の3点です。

メリット

・収入が安定する

・毎日同じお客様なので気が楽

・請負は車両の持ち帰りができる場合がある

順番に解説していきます。

収入が安定する

まずは一つ目、収入が安定するという点です。

先方の会社にもよりますが、基本的には週末になると翌週のスケジュールが先方の秘書さんから送られてきます。

すると大体何時から何時頃までの稼働になりそうかの計算ができるので、どのくらい残業が付くのかも事前にわかるという訳です。

また、専属や請負の契約をするお客様はそれなりの稼働があるお客様がほとんどのため、収入も安定しやすいです。

ここで余談ですが、例えばあまり稼働がない(毎日定時内で終わってしまう)専属先でも専属の仕事の前、もしくは終わった後に車庫番の人がやるようなスポットの仕事を行うこともできます。

そういう意味では固定の仕事を持ちつつ、稼ぎたい時はプラスアルファで稼ぐこともできるので、あまり稼働のないお客様の担当になるのも悪くはない選択肢と言えます。

毎日同じお客様なので気が楽

続いて2つ目は毎日同じお客様なので気が楽

車庫番の場合その都度違うお客様のところに行かなくてはいけません。

もちろん何回か行ったことのあるお客様の場合はいいのですが、初見の場合も多いです。

ある種のガチャ感は否めません。

その点専属・請負の場合は毎日同じお客様なので、お客様の人となりが分かっている分気が楽です。

もちろん緊張感をもって仕事はしなければなりませんが、大きなアドバンテージだと思います。

また余談ですが、専属や請負の場合は担当するお客様のことを「おやじ」だったり「おやじさん」などと呼ぶ慣習があります。

▼▼詳しくは下記の記事をご覧ください▼▼

ハイヤー業界のおかしな慣習3選

請負は車両の持ち帰りができる場合がある

最後に3つ目、請負は車両の持ち帰りができる場合があるという点です。

どういうことかと言うと、乗られるお客様のご自宅とドライバーの自宅が近い場合などはドライバーの自宅の駐車場を保管場所にしてそこから業務をスタートできる、という訳です。

通勤をしなくてよくなるのはかなり魅力的です。

しかも自宅の駐車場に帰るまでが業務時間としてカウントされるので、その分多く稼げたりします。

これは専属にはない請負の最大のメリットだと言えます。

この請負という働き方、いわゆるドライバー派遣ですが、近年企業様からの依頼が殺到しています。

簡単に言うと、景気の低迷により自社でドライバーを雇用し続けるのが難しくなっている企業が増えているからです。

▼▼詳しくは下記の記事で解説しています▼▼

【請負急増中】企業がドライバーを外注化するメリット5選

専属・請負のデメリット

専属・請負のデメリットは次の2点です。

デメリット

・休日の融通が利きにくくなる

・道を忘れがち

順番に解説していきます。

休日の融通が利きにくくなる

まずは1つ目、休日の融通が利きにくくなるという点です。

専属になると、そのお客様の仕事は全て自分がやる、というのが基本になります。

もちろんどうしても予定があるというところは、あらかじめ代務という形で別のドライバーを手配して休むことはできますが、基本的には先方のお客様が休みの時に自分も休むという形になります。

代務を手配する手間などを考えるとあまり気軽に希望休は取りにくい雰囲気です。

あまり頻繁に代務を出しすぎると先方からの信頼も損なわれる可能性があります。

専属契約をするお客様は同じドライバーに来て欲しいから専属契約を結んでいます。

それなのに頻繁に違うドライバーが来るとなると、まぁ良くは思われませんよね。

専属契約の意味がなくなってしまいます。

しかし、例えば担当のお客様が夏休みを取られたり出張で不在の場合等は自分も休みになります。

特に出張で不在の場合は急遽決まることも多いので、ちょっと得した気分にもなります。

道を忘れがち

2つ目は実務的なことなのですが、道を忘れがちという点です。

基本的に同じお客様を乗せていると、日々の行動パターンは決まってきます。

そうすると走る道も大体同じような道ばかりになります。

よってそれ以外の道を忘れがちになってしまいます。

車線の状況や混む時間帯など、実際に日頃から走っていないと忘れてしまいます。

専属や請負の契約もいつまで続くかはわかりません。

先方の企業の経営状況などにより契約を切られることも多々あります。

そうなったときに一旦車庫番に戻って仕事をするにあたって、道を忘れてしまっているのはかなり痛いです。

結構大きなデメリットです。

まとめ

それでは本日のまとめです。

本日の解説内容

・ハイヤードライバーの働き方の詳細

・それぞれの働き方のメリットデメリット

本日は上記の内容について解説してきました。

ハイヤードライバーには専属・請負・フリーの3つの働き方があります。

フリーのメリットは次の3点通りです。

メリット

・休日に融通が利く

・仕事量をコントロールできる

・いろいろなところに行ける

フリーのデメリットは次の2点です。

デメリット

・収入が不安定になりがち

・先々の仕事内容がわからない

専属と請負のメリットは次の3点です。

メリット

・収入が安定する

・毎日同じお客様なので気が楽

・請負は車両の持ち帰りができる場合がある

専属・請負のデメリットは次の2点です。

デメリット

・休日の融通が利きにくくなる

・道を忘れがち

専属や請負でも事前にどの程度稼働があるのかは知ることができますので、自身の状況や希望とマッチしなければ断ることもできます。

そういったことも踏まえて、かなり柔軟な働き方ができる仕事です。

▼▼それぞれのより詳細な1日の流れは下記の記事で解説しています▼▼

【実例】ハイヤードライバーの一日を徹底解説!!

▼▼ハイヤードライバーの詳細はこちらの記事も合わせてご覧ください▼▼

【現役ドライバーが徹底解説!】ハイヤードライバーって何??

最後までご覧いただきありがとうございました!

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ABOUT ME
りょう
りょう
現役ハイヤードライバー
30代、40代、50代からでも最高の転職を!
都内大手ハイヤー会社で働く現役のハイヤードライバー。
前職までは飲食業に従事し、うつ病直前まで疲弊するもハイヤードライバーに転職して人生が劇的に好転。
普段脚光を浴びることの少ないハイヤードライバーという仕事について、いい事も悪い事も赤裸々にお伝えしていきます。
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